ココルーム実験双書

『ココルーム実験双書1 釜ヶ崎 暮らしと居場所』が刊行されました。

執筆者(50音順)

ありむら 潜(釜ヶ崎のまち再生フォーラム事務局長、漫画家)
石川 翠 (大阪府立大学人間社会学部人間科学科、社会学)
上田假奈代 (特定非営利活動法人こえとことばとこころの部屋代表、詩人)
岡本マサヒロ (特定非営利活動法人こえとことばとこころの部屋、人類学)
寺川政司 (CASEまちづくり研究所代表、都市計画)

作図・イラスト

金 沙智 (大阪市立大学大学院工学研究科前期博士課程、建築計画学)

編著者

上田假奈代、岡本マサヒロ

発行所

特定非営利活動法人こえとことばとこころの部屋(ココルーム)

2011年3月21日 第1刷発行

内容

はじめに 岡本マサヒロ

釜ヶ崎用語集/釜ヶ崎データ

第一部 インタビュー 釜ヶ崎 暮らしと居場所 聞き手/構成 岡本マサヒロ

釜ヶ崎 暮らしと居場所 一 (R・Kさん)
釜ヶ崎 暮らしと居場所 二 (M・Hさん)
釜ヶ崎 暮らしと居場所 三 (石橋友美さん)
釜ヶ崎 暮らしと居場所 四 (M・Tさん)
釜ヶ崎 暮らしと居場所 五 (K・Iさん)

コラム 一 ココルームという居場所 石川 翠

コラム 二 ゆるやかにつながるコレクティブ・タウン : 「孤族」社会への提言 ありむら 潜

コラム 三 共生システムとしての城崎温泉 : 釜ヶ崎の街づくりを構想するためのひとつの視点 岡本マサヒロ

第二部 論考 釜ヶ崎 暮らしと居場所

論考 一 社会に参加すること、まちに生きること 上田假奈代

論考 二 コレクティブタウン釜ヶ崎 : 「縁」をつむぎ「居場所」でつながるまちづくり 寺川政司

そして、日々はつづく 上田假奈代

事業一覧

ココルームという実験

私たちが生きるこの世界は実にいろいろなものから成りたっている。それぞれがお互いにつながりをもちながらこの世界をつくりあげている。他者とのつながりに気づき、呼応したときに、私たちは何かしらの「表現」を試みようとする。その瞬間にアートは生まれる。
「表現」をとおした自立・自律を育むための活動、「表現」を介して他者とのつながりの回路や接続点を認めあい、社会や地域の問題解決のきっかけとなる活動を私たちは日々試行している。けれど、アートの本質として、未来へ漕ぎだす運動としてのアクションは、必ずしも解決そのものを目的としているわけではない。そこで繰り広げられる関係性の豊かさやダイナミズム、そして問いとして繰りかえされる日常の営みを大切にしたいと私たちは考えている。アートとは「生きる術」でもある。(中略)
社会が急激に変化する過渡期ともいえる現在、私たちは「アートと社会」というテーマを深めている途上であり、ココルームはいまその実験のさなかにある。こうした問題意識のもと、ココルーム実験双書を刊行する。

2011年3月8日